2月29日(土) 35mmフィルム(完成フォーマット)での上映
13:20〜14:00 『クレマスター1』(40分)
14:10〜15:29 『クレマスター2』(79分)
15:40〜18:54 『クレマスター3』(182分)途中休憩アリ
19:05〜19:47 『クレマスター4』(42分)
20:00〜20:54 『クレマスター5』(54分)*フィルムに傷があります
◎5作品 通し券のみ(作品ごとのチケットはございません)
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https://t.livepocket.jp/e/cremaster0301
https://t.livepocket.jp/e/redoubt0303
https://t.livepocket.jp/e/redoubt0304
https://t.livepocket.jp/e/redoubt0305
https://t.livepocket.jp/e/redoubt0306
3/7(土)『クレマスター』4作、『拘束のドローイング9』(単券):
https://t.livepocket.jp/e/cremaster0307
3/8(日)『拘束のドローイング9』トーク付、『クレマスター3』(単券):
https://t.livepocket.jp/e/dr9march8
https://t.livepocket.jp/e/redoubt0310
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https://t.livepocket.jp/e/redoubt0312
https://t.livepocket.jp/e/dr9march13
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米国の美術家、マシュー・バーニー。
1994年〜2002年、断続的にフィルム作品『クレマスター』サイクルを発表。
8年間で5作品を世に送り出した。
マシュー・バーニーが自ら、
脚本・制作・監督する全5本のシリーズである。
『クレマスター1』(1995)をのぞく4作品には、
マシュー・バーニー自身も出演している。
『クレマスター』シリーズ全5作品は、どれもほとんど台詞がない。
唯一、台詞がある『クレマスター2』(1999)でさえ、
観念的な会話が少々にとどまる。
『クレマスター』は、
どの作品もストーリーが曖昧だ。
映像とサウンドで構成する作品群で、
一話完結ながら、
シリーズ全体がゆるやかに連結する「サイクル」状のつくりとなっている。
そんな『クレマスター』は、
それぞれの作品を発表するごとに、
ミステリアスで、ファッショナブルと評された。
アートの専門家はもとより、
デザイン界、ファッション界、音楽界のクラウドも引き寄せる
魅力を持ち合わせていたのだ。
やがて、『クレマスター』サイクルは、伝説となった。
そのシリーズ全5作品を1日で一挙公開。
今回、特別に作家本人から上映が承諾された。
『クレマスター1』
1995年/アメリカ/カラー/35mm /40分30秒/1:1.37/ドルビーSR
出演:マーティー・ドミネーション
マシュー・バーニーが生まれ育った、アイダホ州ボイシ。彼は学生時代、アメフトの選手だった。その関連か?アイダホ州都のフットボール場、ブロンゴ・スタジアムでロケ撮影している。
青いコートで、ラインダンサーがマスゲームを繰り広げる。上空にはグッドイヤーが広告で使う飛行船「ブリンプ」が2つ浮かぶ。その中にいる巨大な女性の名も「グッドイヤー」という設定だ。憂鬱そうに過ごす彼女が、徐々に形づくるものは…。
バズビー・バークレーのミュージカル大作にオマージュを捧げたハリウッド・ミュージカル風の短編作品。エアホステスの衣装は、アイザック・ミズラヒがデザインした。
『クレマスター2』
1999年/アメリカ/カラー/35mm /79分00秒/1:1.66/ドルビーSR
出演:マシュー・バーニー、ノーマン・メイラー(小説家)
ユタ州の小さな街。大多数がモルモン教徒である。そこに仮出所中のゲイリー・ギルモアが現れる。演じるのは、マシュー・バーニー本人。
ゲイリー・ギルモアが生まれたのは、1966年。その年に製造された名車、マスタングに乗る女とドライブをしている。途中、ガソリンスタンドに立ち寄ると、ささいな揉め事から、トイレで店員の頭を銃で撃ってしまう。
ゲイリー・ギルモアは実在した死刑囚である。彼の物語を小説で書き「ピューリツァー賞」を受賞したのが、作家のノーマン・メイラー。そんなメイラーが、本作に出演している。演じるのは、脱出の名人との異名をとったハリー・フーディーニの役だ。
マシュー・バーニーが「ゴシック・ホラー」と呼ぶ本作。カントリー・ミュージックが流れ、女王蜂を取り巻く蜂の生態も描き、ロッキー山脈と氷河、塩湖(ソルトレイク)が目撃者となる。
『クレマスター3』
2002年/アメリカ/カラー/35mm /182分(途中15分の休憩)
前半:1時間32分02秒+後半:1時間28分58秒/1:1.66/ SRD
出演:マシュー・バーニー、リチャード・セラ(彫刻家)、エミー・マランス(モデル・アスリート)
ニューヨーク、マンハッタンが舞台。二部構成で、前半はクライスラー・ビルで展開。フリーメイソンの見習いが、一人前になろうと高みを目指し、エレベーターをよじ登る。
休憩をはさみ、後半はグッゲンハイム美術館へと場面転換。フランク・ロイド・ライト設計のロタンダの構造をいかした身体パフォーマンスが繰り広げられる。『クレマスター』全作のイメージカラーが旗で彩られる中、マシュー・バーニーが壁面をクライミング。頂上では美術家のリチャード・セラが待ち受けている。途中、豹に姿を変えたアスリートのエミー・マランスと対峙するが…。
ケルト神話がオープニングとエンディングをはさむサンドイッチ構造の超大作。
『クレマスター4』
1994年/アメリカ/カラー/35mm /42分16秒/1:1.37/ドルビーSR
出演:マシュー・バーニー
舞台は、マン島。グレートブリテン島とアイルランド島の間に浮かぶ小島だ。その外周を使って開催されるオートバイの「TTレース」は、あまりにも有名。ライダーの聖地とされている。
そんな島でサイドカーのレースの再現か?そう思いきや、ブルーとイエローのバイクは、それぞれが逆方向に走り出してしまう。
桟橋の上には白い家。その中で、白いスーツできめた未熟なロフタン子羊が踊っている。まだ彼には、成人の証となる角が生えていない。それでも鏡を覗き込み、入念に赤毛を整えている。はやく一人前になりたいのだろうか?
半人前のロフタン羊がタップダンスを続けると、突然に床が抜けてしまう。そして、ネバネバの隘路に陥ると…。カルティエ財団と共同制作した、記念すべきシリーズ第1作。
『クレマスター5』
1997年/アメリカ/カラー/35mm/54分30秒/1:1.85/ドルビーSR
出演:マシュー・バーニー(1人3役)、ウルスラ・アンドレス(『007ドクター・ノオ』)
ハンガリーの首都、ブダペスト。脱出の名人と呼ばれたハリー・フーディーニの故郷である。
ネオ・ルネッサンス様式のオペラ座では「鎖の女王」がボックス席に鎮座する。演じるのは、映画『007』シリーズの初代ボンドガール、ウルスラ・アンドレス。彼女が奇術師へ想いを歌い出すと、ピンクの衣装を付けたディーヴァが舞台の額縁を登り始めた。
突然、白いジャコバン鳩が飛び立つ。足下には両性具有の妖精が戯れる世界。外では、奇術師がまさに橋から飛び降りようとしていた。ブダペスト交響楽団が実際に演奏するオペラ映画風の作品。
写真:CREMASTER 2, 1999
Photo Michael James O’Brien
© Matthew Barney, courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels
写真:CREMASTER 3, 2002
Photo Chris Winget
© Matthew Barney, courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels
写真:CREMASTER 4, 1994
Photo Michael James O’Brien
© Matthew Barney, courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels
写真:CREMASTER 5, 1997
Photo Michael James O’Brien
© Matthew Barney, courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels