◎11/1(金)のチケットは、こちら:
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マシュー・バーニー『リダウト』
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原題:REDOUBT
2018年/アメリカ/134分3秒/4K DCP/7.1ch サラウンド/台詞ナシ
予告編(5分30秒バージョン):https://vimeo.com/319603163
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制作・脚本・監督:マシュー・バーニー
音楽:ジョナサン・べプラー
撮影監督:ペーター・シュトリートマン
編集:キャサリン・マケリー
製作:マシュー・バーニー、セイディ・コールズ、バーバラ・グラッドストーン
プロデューサー:マイク・べロン
照明:クリス・ウィジェット
振付:エレノア・バウアー
プロダクション・デザイン:Kanoa Baysa,
アートディレクター:Jade Archuleta-Gans,
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出演:
アネット・ワクター(ディアナ):ライフル射撃米国代表選手
エレノア・バウアー(コーリング・ヴァージン):振付師・ダンサー
ローラ・ストークス(トラッキング・ヴァージン):ダンサー・アーティスト・コントーショニスト(曲芸師)
K.J.ホームズ(電気めっき師):ダンスアーティスト・歌手・詩人・女優
マシュー・バーニー(銅板彫刻師)
サンドラ・ラムッシュ(フープパフォーマー):ネイティブアメリカン・フープダンスのパフォーマー
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配給:トモ・スズキ・ジャパン
後援:アメリカ大使館
協力:Matthew Barney、Gladstone Gallery New York and Brussels、Angie Naoko
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マシュー・バーニーの最新フィルム作品『リダウト』(2018)は、
彼が育ったアイダホ州が舞台。
マシュー・バーニーいわく、その地は天然の「要塞」のよう。
ロッキー山脈に隔てられ、独自の文化圏を構成してるという。
本作のタイトル「REDOUBT(リダウト)」とは、
英語で「要塞」を意味している。
ストーリーの下敷きは、ギリシャ神話「ダイアナとアクタイオン」
物語の下敷きになるのは、ギリシャ神話「ディアナとアクタイオン」。
中世より、たびたび絵画のモチーフで使われてきた
その神話はルネサンス期のイタリア人画家、ティツィアーノも題材にしているほどだ。
ディアナは、狩猟の女神。貞節の女神で処女神とされている。
森の中で水浴していると、そこに猟師のアクタイオンが迷い込んで来た。
恥ずかしさのため顔を赤らめる女神のディアナ。
仕えるニンフ(妖精)が、なんとかディアナを隠そうとするが、
ハンターのアクタイオンは裸を見てしまう。
すると、彼の頭から角が生え鹿に…。
鹿狩りの名手として、猟犬に鹿を追わせてきた猟師のアクタイオン。
今度は自分が鹿となり、猟犬に追われる立場になってしまう。
マシュー・バーニー自身は、銅板彫刻師の役で出演
そんな神話に独自の解釈を加えた本作『リダウト』には、
マシュー・バーニー自身も出演。銅板彫刻師の役を演じている。
ノートサイズの銅板をアイダホ州の雪山に持ち込み、
山にイーゼルを立て、自然や動物をスケッチするかのごとく銅を掘る。
そして、電気分解へ。
電気分解とは、電気を用いた分解のこと。
分解とは、ひとつの物質がふたつ以上の物質に科学変化すること。
雪山で銅板に描き、塩化銅水溶液で電気分解すると…
水は電気を通さないが、
水に塩化銅(塩素と銅が化合した物質)を溶かした水溶液は電気を通すようになる。
その塩化銅水溶液に強い電気を流し続けると、塩素と銅に電気分解される。
塩化銅水溶液を電気分解すると、
+極からつながる陽極では、塩化物イオンが塩素原子になる。
言い換えると、気体の塩素が発生する。
一方、−極からつながる陰極では、銅イオンが銅原子になる。
そこで、銅が発生して電極にくっつくのだ。
そんな電気分解のプロセスを記録したドキュメンタリーの要素も持つ
『リダウト』は、大人の作品だろう。
ライフワークでもある《拘束のドローイング》シリーズ(1987ー)みたいに
アスリートだった自身の身体を駆使することはない。
そのスピンオフ企画『クレマスター』サイクル(1994ー2002)のごとく
超人的な存在に変容(トランスフォーム)することもない。
かつて多様したワセリンでネバネバも登場しない。
しかし、それら過去作品をやわらかく踏襲し、
6時間の映像オペラ『RIVER OF FUNDAMENT』でみせた
物質の根源的変化を静かに受け継ぐ作品が『リダウト』である。
少年時代を過ごした土地を振り返る、大人の余裕が感じられまいか?
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【特別企画】マシュー・バーニー『リダウト』岡山上映
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「岡山芸術交流2019」にマシュー・バーニーが出品中。
その連携プロジェクトとして、フィルム作品『リダウト』を1度だけ岡山で上映。
日時: 2019年11月23日(土)15:50〜18:04
会場:シネマ・クレール
住所:岡山市北区丸の内1丁目5-1
電話:086-231-0019
料金:会場にお問い合せください
配給:トモ・スズキ・ジャパン
後援:アメリカ大使館、岡山芸術交流実行委員会(岡山芸術交流2019 連携プロジェクト)
【画像クレジット】
フープダンサー
Matthew Barney, Redoubt, 2018. Production still. © Matthew Barney,
courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels, and Sadie Coles HQ, London. Photo: Laura Nespola
ほか3枚
Matthew Barney, Redoubt, 2018. Production still. © Matthew Barney,
courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels, and Sadie Coles HQ, London. Photo: Hugo Glendinning