『冬眠さえできれば』★
<Talent Tokyo 修了生監督作品> If Only I Could Hibernate / モンゴル、フランス、スイス、
カタール / 2023 / 98分 / 監督:ゾルジャルガル・プレブダシ ( Zoljargal PUREVDASH )
モンゴルの首都ウランバートルの郊外に住む10代の青年Ulzii。数学に天才的な才能を持つ彼は、物理学コンクールで優勝し、良い学校へ進むための奨学金を獲得しようと決意を固める。しかし母が地方で仕事をすることを決め、彼と弟たちを残して家を空けることになったため、彼の計画は変更を余儀なくされる。彼は勉強する代わりに妹や弟の世話をし、厳しい冬を乗り切るために家の暖房を維持するという大変な仕事を強いられることになる…。2017年に企画段階で「タレンツ・トーキョー・アワード」を受賞したゾルジャルガル・プレブダシの長編初監督作品。敢えて言えば社会派リアリズム映画の系譜にある作品だが、陰鬱な社会や悲惨な状況をそのまま映すのではなく、どこかに常に希望や楽観的な視点が入り込んでいるのがこの作品の大きな魅力となっている。カンヌ映画祭公式部門に史上初のモンゴルの長編映画として「ある視点」部門で上映された。