このたび、坂口恭平さんの新刊となる漫画『赤松』が刊行されます。自身の短篇小説をみずから水彩と鉛筆でフリーハンドのコマ割りのもとに描かれた漫画は、透きとおった水や風を思わせる読み心地でありながら、読後に広がる世界の大きさが心に残る、坂口さんの創作の原点ともいえるような作品となりました。寓話のようにして語られるこの世界のなかに、読んでいるひとたちのさまざまな記憶や思いが共鳴して、どこまでも響き渡っていく歌のような物語。またあらたな扉をひらく名作の誕生にぜひ、立ち会っていただけたら、うれしいです。
「これは7歳のときの僕の構想40年の作品なんだと思う!僕の本当の一番最初に頭に浮かんだ創作物。小学生のときのそのまま鉛筆と紙と絵の具だけ。他には一切なんにもない。まじりっけなしの7歳の私をどうぞ」(坂口さんtwitterより)