悠久の響きを冬の夜空へ
Mark Akixa(マーク アキクサ):ネイティブアメリカンフルート
クラシックピアノ、フルート、篠笛を経て、2000年よりネイティブアメリカンフルート奏者となる。
北アリゾナ大学にて北米先住民の文化・歴史を学び、ホピ族をはじめとする先住民たちと交流。先住民の民話やその深い精神性をテーマにした物語性の強い「言葉なきストーリーテリング」ともいうべき独自の演奏方法が高く評価される。帰国後はファッションショーや茶会などでの演奏も行い、コンサート以外にも活動の場を広げている。『モンスターハンタークロス』、『Final Fantasy XV』などのゲーム音楽にも参加。楽曲は様々なTV番組に使用されている。また講師養成講座の講師を務めるなど後進の指導にも携っている。ココペリ倶楽部主宰。2017年に3枚目のオリジナルアルバム「Kokopelli」を発表。
http://markakixa.com/
◆ネイティブアメリカンフルートとは
その名の通りネイティブアメリカン(アメリカ先住民)の縦笛である。インディアンフルート、ラブフルートとも呼称される。基本的には杉を材質に作られ、5~7つの穴をもつものが多い。南米にはケーナという縦笛があるが、構造的な違いでいうとケーナは尺八に近く、インディアンフルートはリコーダーに近い。
一般に、“ ネイティブアメリカン ”という人種を一括りにしてしまいがちだが、実際にはナバホ族、チェロキー族、ホピ族などの部族が無数におり、互いに文化も言語も異なる。その部族の数は分類の仕方によっても異なるが、 数百とも数千ともいわれている。そのような状況なので、笛の形態のバリエーションもまた無数に存在する。ネイティブアメリカンフルートの特徴といえば、吹き口と指穴の間にある“バード”と呼ばれる、鳥の形をした調節ブロックの存在であろう。このバード、他の笛に見られ ないこの笛ならではのものなのではあるが、残念ながらバードがついていないネイティブアメリカンフルートもまた存在するので、これをもってネイティブアメリカンフルートのアイデンティティーと呼ぶことができないのがもどかしいところである。