Fumiya Tanaka主催パーティー『CHAOS』がWWW Xにて開催。オープンtoラスト・セットで2025年を締めくくる!
曰く、氏のオープンtoラスト・セットは約30年の"CHAOS"正史においては今年まで日本(東京&大阪)のみでしか開催されていなかったのだが、去る9月のマンチェスターを皮切りに、今後は世界中の実施可能な場所で敢行されていくとのこと。WWW Xでの"CHAOS"も、研究を重ね時勢に揉まれ拡大と純化を繰り返しているように思うが、とにかく大なり小なりの変化を伴いながらFumiya Tanakaの実践は続く。
さて、2023年に同パーティーがWWW Xに移って以来、会場のブッキング担当者にこのパーティーの煽り文章を任命されてから幾度目かになる。実際のところ、未だに空を掴むような気持ちで取り組んでいる感が否めない。ジャンルという枠組みやキャリア/沿革から説明するにしても、このパーティーと噛み合う何かに成るのだろうか。手掛かりはあくまで手掛かりであるし、本来的には情報から逃れるべくあのダンスフロアに向かっている、という自覚も薄らある。言葉で語るのであれば、Fumiya Tanaka自身の(あの示唆とウィットに富む)主観的な文章以外なし得ないかもしれない。夜な夜な繰り広げられるレコードとレコード/DJとフロアの混触反応は、白熱や感嘆、爆笑、朦朧etcを生んでいる。"CHAOS"に赴いたことがある方には思い当たるであろうあの生々しい状態異常を、渦中の傍観者としてどう描写して良いものか。正直困惑している。
ーー詰まるところ「行ったらわかる、行かなければわからない」ということではあるのですが、錆びついた通り文句に頼ると拙文の意味もいよいよ無くなってしまうので、この足掻きをそのまま前段の文章としてお届けすることにいたしました。この困惑の原因たるエネルギーこそが"CHAOS"に人が集ってきた理由だと思えばあながち的外れではない、と手前勝手に思いたいです。年の瀬のパーティーに添えるにはなんとも緩い末筆となってしまいましたが、きっと"CHAOS"のフロアでこの1年がバチッと締まることでしょう。2025年がハッピーだった人も散々だった人も、このパーティーの一部になる事を願っています。
Text by DNG (CYK / Lighthouse Records)
▼Fumiya Tanaka (Sundance)
DJ、トラックメイカーとして30年以上のキャリアを持ち、現在もシーンの最前線に立ち続ける日本のテクノを代表するアーティストの1人。強靭なグルーヴをベースに、サウンドとフロアが呼応し合いながら展開する独特のDJスタイルは、未だ類稀な存在感を放っている。フロアに直結したシンプルなグルーヴを好む姿勢は変わらないものの、ここ数年の"田中フミヤ"のプレイは、かつてKarafuto、Individual Orchestraといった名義で行ってきた音楽やハウスグルーヴへの取り組みが反映されている。
2010年からベルリンへと拠点を移し、欧州を中心に世界各国のパーティー、フェスにて活躍。その一方、自らがオーガナイズするパーティーCHAOSをベースに定期的に帰郷し日本での活動も続けている。
https://www.fumiyatanaka.com/