トランプ米国大統領が「ガザ停戦」を演出し「画期的和平」と自賛。イスラエルやアラブ諸国や西欧もそこに乗っかった。だがその内実は、ガザ地区全住民を「人質」にして、イスラエルの要求をハマスに強要するものだった。 「
合意」と呼ばれるものの中身も一方的なものであり、破綻することは目に見えている。そうすれば、これまで以上の蛮行が行なわれ、ガザ殲滅が完遂されるのではないか。 あるいは、トランプ和平と国際社会の共謀は、かつての「オスロ和平」の焼き直しにも見える。
仮に停戦が維持され復興が行なわれても、10兆円を超える費用を国際社会が負担し、完了まで何年かかるか見通しもなく、しかも「10.7以前の状態」に戻るだけ。「強制収容所」のインフラが再建されるにすぎない。
どちらに転んでも、平和になどなるはずがない。
【出演】
◉ 小田切 拓(おだぎり ひろむ)
ジャーナリスト。イスラエル/パレスチナを専門に取材し、渡航回数は現在までで70回あまりに及ぶ。取材歴は20年を超え、「ガザ地区」、「隔離壁」、「オスロ合意」や「経済援助による占領加担」についての構造的分析で知られる。訳書に『ホロコーストからガザへ』『なぜガザなのか』サラ・ロイ(岡真理、早尾貴紀との共訳)など。
◉ 早尾 貴紀(はやお たかのり)
東京経済大学教員。1973年生まれ、専門は社会思想史。2002〜04年、ヘブライ大学客員研究員として東エルサレムに在住し、西岸地区、ガザ地区、イスラエル国内でフィールドワークを行う。著書に『国ってなんだろう?』(平凡社)『パレスチナ/イスラエル論』(有志舎)『ユダヤとイスラエルのあいだ』(青土社)、『パレスチナ、イスラエル、そして日本のわたしたち』(皓星社)、訳書にイラン・パペ『パレスチナの民族浄化』(法政大学出版局、田浪亜央江との共訳)、サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ』(青土社、岡真理、小田切拓との共訳)、ジョー・サッコ『ガザ 欄外の声を求めて』(Type Slowly)などがある。
◉ 菅 梓(すが あづさ) ⚠️オンライン出演
福岡市出身。写真家。2015年から定期的にパレスチナ、特に西岸地区へ通う。 現地の屋台のキッチンでお料理を習ったり、パン屋でバイトをしたり、劇場で広報写真を撮ったりしながら旅をしている。 パレスチナの暮らしが垣間見れる写真集zineを不定期に発表し、パレスチナの音楽フェスで知り合ったミュージシャンたちを紹介するためにDJ活動もしている。 過去にはベツレヘムのデヘイシェ難民キャンプ、アイダ難民キャンプに数週間の短期滞在、2022年、2023年はジェニン難民キャンプに2ヶ月滞在する。 パレスチナの暮らしが垣間見れる写真集zineを不定期に発表している。