日本で戦争が終わってから80年を迎えるこの夏、一昨年の上演で大きな話題をよんだ朗読歌劇「女の子たち風船爆弾をつくる」映像版の上映会を開催します。
ミュージシャン寺尾紗穂の企画・選曲と作家小林エリカの脚本による、かつての歌を甦らせる朗読歌劇シリーズの第二弾となる本作。
女の子たちがかつての戦争中に動員され風船爆弾をつくった舞台となる東京、有楽町、銀座の街の劇場で、一日かぎりの上演がおこなわれました。気鋭のミュージシャン角銅真実、寺尾紗穂、浮、古川麦 の声と音が集まり、あの頃を生きた女の子たちが実際に歌った歌とともに、過去の歴史が、いまに繋がるものでした。
このたびは、その映像版の上映会とともに、かつて風船爆弾の開発をおこなった旧陸軍登戸研究所の歴史を長年にわたり掘り起こし、保存してきた明治大学平和教育登戸研究所資料館学芸員、塚本百合子さんをゲストにお迎えし、寺尾紗穂、小林エリカとのトークセッションをおこないます。女の子たちの背景や時代にまつわる貴重なお話とともに、いま、音楽・戦争・少女を、考える場をひらきます。
【プログラム】
映像版「女の子たち風船爆弾をつくる」2024年 本編95分 英語字幕つき
上映後トーク 40分
【登壇者プロフィール】
塚本百合子 明治大学平和教育登戸研究所資料館学芸員
1980年生まれ。2010年明治大学平和教育登戸研究所資料館開館を機に同館の特別嘱託学芸員に。
幼少期より祖母から戦時中の話を聞いて育つ。その経験から戦争について考え、伝える活動に携わりたいと志す。登戸研究所関係者や風船爆弾製造に関わった人々への聞き取りを通じ、その思いを戦争を知らない世代にどう受け継ぎ伝えていくかを日々模索中。
現在企画展「風船爆弾作戦と本土決戦準備―女の子たちの戦争」を開催中。
https://www.meiji.ac.jp/noborito
寺尾紗穂 音楽家・文筆家
1981年東京生まれ。オリジナルの発表と並行して、ライフワークとして土地に埋もれた古謡の発掘およびリアレンジしての発信を行う。
あだち麗三郎、伊賀航と共に3ピースバンド「冬にわかれて」でも活動を続ける。
書籍最新刊は『戦前音楽探訪』(ミュージック・マガジン社)。
音楽アルバム最新作は「わたしの好きな労働歌」。前作「余白のメロディ」(2022)、「しゅー・しゃいん」(2024)、は『ミュージック・マガジン』の年間ベスト(ロック/日本部門)の10枚に選出された。
https://www.sahoterao.com
小林エリカ 作家・アーティスト
1978年東京生まれ。目に見えないもの、時間や歴史、家族や記憶、声や痕跡を手がかりに、入念なリサーチに基づく史実とフィクションを織り交ぜた作品を制作する。
著書は『女の子たち風船爆弾をつくる』(文芸春秋)で第78回毎日出版文化賞(文学・芸術部門)受賞。小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社)、コミック『光の子ども1~3』(リトルモア)など多数。テキストと呼応するようなインスタレーションを国内外の美術館やギャラリーなどでも手がけている。
https://www.erikakobayashi.com
【クレジット】
映像版「女の子たち風船爆弾をつくる」
監督 玉田伸太郎
出演 角銅真実、寺尾紗穂、浮、古川麦
企画 こほろぎ舎
選曲 寺尾紗穂・小林エリカ
脚本 小林エリカ
字幕翻訳 Brian Bergstrom
制作 瀧口幸恵 呉宮百合香 村口栞理
チラシデザイン 山野英之