【展覧会概要】
本展でご紹介するのはタクティカルゲームズが出版するボードゲームで使用されるアートワークの世界です。2つの世界をボードゲームに使用されるアートワークとストーリー映像によって体験頂けます。1つ目の世界、『ウィキッド・シリーズ』では劇団イヌカレー(泥犬)氏のアートワークを展示し、おかちぇけ氏のアートワークを使用し『ウィキッド・シリーズ』2作の世界の物語をストーリー映像によってまとめました。2つ目の世界、『プロジェクト:アトラスロスト』では初公開のアートワークを展示し、ストーリー映像『ある先遣隊の記録』の上映を行います。デザインワークショップではボードゲームのルールやアイコングラフィックスを制作する過程を体験できます。これら3つのテーマを独立したコーナーに分けて展示します、遊んで楽しいだけでなく目で見て美しいボードゲームの世界をお楽しみください。
【みどころ】
Wicked series
『ウィキッド・シリーズ』はこの世界の『魔女』に関する物語の当事者のひとりとなって『魔女』とそれにかかわる不運な人間たちの間で巻き起こる深い心理戦をコンセプトにしたボードゲームシリーズです。 ボードゲーム『ウィキッド・フォレスト』と『ウィキッド・ラビリンス』は『ウィキッド・シリーズ』として世界観を共有し、これらは時代を超えた『魔女』というモチーフを通して『欲望』というテーマを持ちます。『ウィキッド・フォレスト』と『ウィキッド・ラビリンス』のアートワークとメイキングの展示を行います。
ストーリー映像:ウィキッド・ストーリーズ
ボードゲーム『ウィキッド・フォレスト』の舞台となったとある村に伝わる2人の少女の邪悪なオハナシと、ボードゲーム 『ウィキッド・ラビリンス』の舞台となった、とある国に伝わるある英雄にまつわるオハナシ。 2本のアニメーション作品を上映いたします。 ”邪悪な物語”として伝わるこれらのオハナシは、私が古今東西で見て聞いたオハナシ。魔女とは、ある時は奇跡の様な奇妙な現象であり、ある時は異形のモノ、ある時は畏れの対象、ある時は崇拝の対象、それは姿を変えて現れ人の心を蝕む。この世の歪を体現する魔女とそれに関わる不運な人間達の物語。さぁ、とっても邪悪で穢れたオハナシを始めましょう。
Project:Atlas lost
文明“崩壊”後、生き残った人類は過去の遺物をもとめ世界を放蕩していた。「遺物」には、“崩壊”前の文明が残した技術がまだ使える状態で残っている。彼らはそれらの技術を使用して新な文明を作り上げようとしている。しかし、文明を“崩壊”に至らしめ人類との戦争に敗れた人工知能もまた復活の日を狙っているのだった・・・。 人口知能との戦争の末、文明”崩壊”後の世界で展開されるボードゲームシリーズ『プロジェクト:アトラスロスト』のアートワークを初公開。ハードなSFテーマの世界をお楽しみください。
ストーリー映像:ある先遣隊の記録
”崩壊”後の地球を旅する先遣隊の記録。『プロジェクト:アトラスロスト』の世界で起こるさまざまな冒険の記録を、朗読劇によるストーリー映像を上映いたします。荒廃した地球での過酷な環境を生き延びる人類と、文明再建をめざし奔走する人々が体験した記録。
デザインワークショップ
ボードゲームのルールをワークショップ参加者がオリジナルのアイコンなどで表現します。ボードゲームで扱われている様々なルールをアイコンとして表現する過程を体験します。この体験を通じて、参加者はボードゲームのデザインがどのように作られ、どのような考えで表現されているかを学ぶことができます。これらの学びはルールという抽象化された概念を一度言語化してからそれを更に再度抽象化するという高度なコミュニケーションの習熟につながります。(入場券とは別に当日参加費用:500円)
参加アーティスト
劇団イヌカレー(泥犬)
アニメーション作家ユニット。アニメ『マギアレコード 魔法少女まどか マギカ外伝』で総監督・シリーズ構成を務め、『魔法少女まどか☆マギカ』の異空間設計などインパクトあふれる魔女や魔女の結界空間で知られる。
代表作: 『獄・さよなら絶望先生』2008年 – オープニングアニメーション
『化物語』2009-2010年
『魔法少女まどか☆マギカ』2011年 – プロダクションデザイン(魔女など)
『マギアレコード』2017年 – 魔女原案、ウワサ、ドッペルの仕様設定。アニメ版総監督・シリーズ構成
おかちぇけ
おかちぇけ 宮城県仙台市出身東京在住のフリーのイラストレーター。映像やゲームのためのアートの制作で活動中。 宮城県仙台市出身、東京在住のイラストレーター。大学卒業後、都内のIT企業に就職。WEBデザイナーとしての採用だったが入社のタイミングでソーシャルゲームの部署が立ち上がり、そこからイラストの制作や管理を担当。4年弱勤めた後に退社し、そこからフリーランスのイラストレーターに。現在は主に映像やゲームのためのアートの制作で活動中。温かみを感じる雰囲気を好んで制作。
代表作:ポケモンカード
アニメモンスターストライク イメージボード
ポケットモンスター薄明の翼 美術デザイン カラースクリプト
タンサンあさと(TANSAN)
ゲーム&アートディレクター、ゲームデザイナー。国内外の200以上のボードゲームの仕事を行うタンサン(株)代表。デジタルゲームのゲーム監修から、インディーズボードゲームのアートワーク、これはゲームなのか?展の運営など幅広く手掛けています。ユーモアのある作品作りを心がけています。ボードゲームでグッドデザイン賞ベスト100とグッドトイ賞受賞。代表作に「コヨーテ」「ペンギンパーティ」「ヒットマンガ」など
三好奈緒
日本に在住する背景美術デザイナー、コンセプトアーティスト、イラストレーター。ゲームやアニメを中心に、景観の設定などのアートワークを手掛けています。特にゲームにおいてはデジタルやアナログといった分け隔てなく、ビデオゲーム、カードゲーム、ボードゲームなど幅広く制作しています。また、趣味の範囲でもビデオゲーム制作をしており、その際にはアートワーク周辺のみならず企画やシナリオ原案、演出、UIの検討など、多方面からゲームの在り方について探求しています。