「最後の審判」というと、誰もがまず最初にシスティーナ礼拝堂のミケランジェロの絵を思い浮かべるでしょう。私たちにとってそれだけ「最後の審判」というテーマは美術史において重要なテーマとして、また重要な作品として知られていますが、みなさまは音楽において「最後の審判」といわれ思い浮かべる曲はどの曲でしょうか。実はこの「最後の審判」をメインテーマにした曲というのは数えるほどしかありません。
ブクステフーデの作品と言われる本曲は、現在は彼唯一のオラトリオとして、またマリエン教会で行われた音楽会Abend Musikで演奏されたでだろう事で知られています。しかし私たちはこれまで演奏機会に恵まれることはなく、今回の公演でこの作品を演奏することは私たちにとって大きな挑戦となります。
作品全体を見てみると全曲ブクステフーデが作曲したというよりも、数人で手分けして書かれたような気さえしてくる大作です。ブクステフーデ作かどうか真偽不明の謎の多い曲ですが、この曲が作曲家の素晴らしい熱意で書かれた素晴らしい曲ということに変わりはありません。この曲がいったいどんな内容なのか、どんな曲なのか、それがどんな形で教会に響くのか、ぜひ楽しみにお越しいただけましたら幸いです。
主宰・望月万里亜