ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第9番 ニ短調op.125が
「ミサ・ソレムニス」の一部とともに初演されたのは、1824年5月7日、
ウィーンのケルントナートーア劇場においてです。
この企画はその初演のプログラム、編成、熱気を再現することを目標とします。
初演に至る道筋はかなり紆余曲折があったようです。
会場日時が決まったのが1か月前だとか、バスのソリストが本番数日前まで決らなかったとか、総練習が2日前の1回だけだとか、総練習は前日も予定されていたのに、ダブル・ブッキングで会場が使えなかったとか、当日のゲネプロが早朝からえらい長時間で、全員疲労困憊だった等々。
その辺りのごたごたは再現しないようにしたいものです。
プログラムは、序曲として「献堂式」op124、ミサ・ソレムニス op123 より3章。ベートーヴェンとしてはここでミサ・ソレムニス全曲のウィーン初演をしたかったのですが、教会から「ミサを劇場でやるのは許せん」と横ヤリが入り許可が下りませんでした。仕方なく「三つの讃歌」とのタイトルにして3章のみの演奏となりました。今回はこのプログラムを完全再現します。