ノーブルなクラシックバレエダンサーが、典型的なレパートリーにない楽曲を
より自由な表現で踊ったらどうなるのか? そんな芸術的興味、願望からこのプロジェクトは
生まれた。
ノーブルさはそのままに、より自由な表現を。
22年10月の第一回公演ではバッハ「ゴルトベルク変奏曲」をグレン・グールドのドライブの効いた演奏で
全32曲ノンストップで踊り切った。
今回はスペイン音楽をジャズの巨人マイルス・デイビスが演奏したアルバム「Sketches of Spain」がテーマだ。
マイルス・デイビスと編曲家ギル・エヴァンスのコンビが50年代から60年代にかけて出した名盤の中でも
スペインを題材にした「Sketches of Spain」は人気が高い。スペインクラシック音楽の名曲「アランフェス協奏曲」、
スペイン、ガリシア州の民謡「ザ・パン・パイパー」など、ギル・エヴァンスの絶妙なアレンジのもとマイルスのトランペット
が哀愁をこめて歌う。
「スペイン音楽+ジャズ+クラシックバレエ」、この組み合わせがどのような新しい世界を創り出すのかを見ていただきたい。
ポイントはそれぞれがオリジナルなポジションから「越境」していることだ。
スペイン音楽はオリジナル楽曲からジャズ演奏のために編曲されている。
ジャズ演奏家マイルスはスペイン音楽を演奏している。
クラシックバレエダンサーがジャズを踊っている。
それぞれがそれぞれの本分を発揮しながら新しい世界を表現している。
自らの分野を越えることで生まれたクリエイティビティを感じ、楽しんでいただきたい。
そして何よりも・・・音楽の美しさとダンサーの美しさを。