1987年、アルメニア生まれ。 3歳の頃から、家にあったピアノでレッド・ツェッペリンの曲を弾き語り、11歳から様々なフェスティバルやコンクールに出演。ジャズ、ロック、クラシック、アルメニア民謡、エレクトロニカと様々な音楽を吸収しながら、10代を過ごす。2006年、弱冠19歳で、新人ジャズ・ミュージシャンの登竜門「セロニアス・モンク・コンペティション」にて優勝を果たす。29歳になった現在、ジャンルを超越した音楽を生み出し、クラシック音楽ファンから、エレクトロニカのファンまで世界各地の聴衆を熱狂させている。 2015年に発表されたデスメタル的作品「MockRoot」(Nonesuch)は、音楽シーンに強い衝撃を与えた。その衝撃に浸っている間もなく発表されたアルメニアの聖歌隊との作品「Luys i Luso」(ECM)では、ティグラン自身のルーツであるアルメニアの5世紀の音楽を掘り起こし、現代に蘇らせた。 そして、2016年にエレクトロニカのJan Bangらと共に「ATMOSPHÈRES」(ECM)を発表。その猛烈なスピードの創造性は、ブラッド・メルドーをはじめ、現代を生きる様々な国のミュージシャンたちにも、音楽的な影響を与えている。人間の音楽という概念を越えたティグラン・ハマシアンのピアノの響きは、聴くものの魂に直接語りかける。 2017年春、「An Ancient Observer~太古の観察者~」(Nonesuch)の発表と共にワールドツアーを開催。 日本では、浜離宮朝日ホールが公演一ヶ月前に完売、「失われた音を求めて」と題し、沖縄、福岡の古民家、屋久島の森という特別な場所でピアノを奏でた。 今回「An Ancient Observer」の続編でもある新作「For Gyumri」と共に新たな旅を始める。