「我々は人を死なせる恐れなしに身振り一つも成し得ない」
コロナ禍を想起させるこの言葉は1969年に書かれた。
東日本大震災から10年。
未だ被災していない土地を未災地と呼び、
災害後は次の災害前と感じる我々には、
常に警鐘が鳴り響いている。
災害が起きない地域はないし、
災害の被害をゼロにすることはできない。
被害を最小限に抑えようとする「減災」という言葉は、
想像力によって生まれた。
言葉は想像させる。
歴史を見つめ、未来を想像し、
千年後に残る言葉を創造しようとすることは、
今を生きる我々の、
小さな希望だ。


