「Back From The Grave」
1980年代後半に新宿JAMでスタートしたもので、元々はハードコアパンクのイベントを主催していたDaddy-O-Novがテキサコ・レザーマンにライブをさせたくてスタートした企画である。イベントは徐々に盛り上がりを見せ、Daddy-O-Novが「ガレージ」と認めたバンドであればどんなバンドでも出演することが出来るようになった。
これまで、THE 5.6.7.8's、ギターウルフ、TEENGENERATE、Jackie & The Cedricsなど、さまざまなバンドが出演してきた。
シーンのリーダー、Daddy-O-Nov氏は決して若くはない労働者だが暇さえあればガレージ・シーンのサポートやプロモーションに全力を尽くしている。彼は音楽シーンにはびこる上下関係を自分のシーンから滅ぼし、誰もが気軽に入り、友達を作り、情報交換の出来る「場所」を作った。
今回のイベントはB.F.T.Gが都会を飛び出し、長野最北の野尻湖でLIVEを行う!と言うとんでもない企画である。
「CULT FICTION」
長野県最大規模の歓楽街である長野市権堂町にカルトってRock Barがある。一度、訪れてみて欲しい。サイケデリックな壁画に大きな丸い窓のお店だ。来てもらえばすぐわかる。赤を基調とした内装もいかがわしさで溢れている。入るにはちょっとの勇気が必要かもね。プリミティブな音楽であればどんな音とも相性の良いお店なんだ。
その丸い窓から洩れる光に引き寄せられて、人が集まってきていた。そしてある日、出雲方面からギターウルフセイジがやってきた。彼は店主のミキに何か言い残していったようだ。
そこでミキを中心に僕らはこの街に足りない何かを考えた。そして2023年6月、僕らはパーティーを始めることにした。それがCult Fictionだ。
ガレージパンクの定義なんてものは明確にわかりゃしない。でもこの街にはその音を流せるご機嫌な連中が既に存在した。だからメンバーは最初から決まっていたんだ。
純粋なガレージパンクのパーティーだと思っているよ。そりゃ親和性が強いとは言えモッズが紛れ込んだりしてるからさ、拡大解釈はあるかもね。でもみんなガレージパンクエチケットに則って音を展開しているよ。
ガレージパンクって何?と思ったなら一度、足を運んで欲しい。必ず、毎月開催している。それが何かわかろうとしちゃダメだね。難しいことは抜きにしてさ、音も空間も楽しんで欲しい。まるで映画に迷い込んだ一夜になるだろうからさ。
そうそう大事なこと言い忘れてたよ。猫耳のメイドがいつもいるガレージパンクのパーティーはCult Fictionだけだと思うよ。
Text : Cult Fiction Crew KEN