”私に残された時間はあとどの位あるんだろう。”
初演の際、毎日にように考えていた事を再演にあたりまた、思い出しています。
あれからまるっと三年が経ち、四年目を迎えようとしています。
その間にも辛い別れをいくつか、私なりにやり過ごしてきたように思います。
私たちは一日一日確実に歳を重ね、抗う事なくその日を迎えようとしています。
そしてそれは、木の葉が落ちるように当然でとても自然な事であると。
昔から私たちは知っています。
蜘蛛は綺麗な脚を持っていました。
猫は綺麗な尻尾を、草は綺麗な葉を。
その一つ一つを失う事に彼らは一切悲観していません。
私たちはまだ、白髪が増えたと嘆き、シミを見つけては落胆を繰り返すのでしょうか。
毎朝鏡を見て、自分の姿にため息を着くのでしょうか。
時は今もなお、動き続けています。
やっぱりこの物語は、私たちの身近にある絶望を描いた希望の物語でありたいと思うのです。
脚本・演出 せんす