幻想的で透明感のある7弦ギターの音色。ファビアーノ・ド・ナシメントの弦の響きにはさまざまな音の粒子がきらめくような豊かな色彩を感じる。グアラニー語で“風”を意味するアルバムのオープニングからは光と風がまばゆく戯れるような音の風景が浮かびあがる。生まれ育ったブラジルの音楽をベースにしたサウンドは、アメリカ西海岸での活動によってさらにそのフィールドを広げ、最新作ではエレクトロニクスやビートを織り交ぜた白昼夢のような音の世界を生み出した。
今回5年ぶりの来日では、ファビアーノの音楽の“いま”を体感すべく、奈良の音のアトリエ『listude』を会場に彼のソロ・コンサートを開催。7弦や10弦など複数のギターを持参し先進的なパフォーマンスを披露する。
今年の春にピアニスト、スワヴェク・ヤスクウケの親密な演奏会を開催した『listude』×『resonance music』のコラボレーションがふたたび実現します。
Fabiano do Nascimento
ファビアーノ・ド・ナシメント
ギタリスト、作曲家、プロデューサー
ブラジル・リオデジャネイロ出身、ロサンゼルスを拠点に活動。音楽一家に生まれ、10歳でギターを手にする。ブラジルの豊かな音楽環境によって育まれた演奏技術と音楽のセンスにより、ブラジルの伝統音楽のエッセンスをジャズやフォーク、エレクトロニクスなどと融合し昇華させた独自の音の世界を生み出している。ラルフ・タウナーやレオ・ブローウェル、キケ・シネシなどのギタリストを敬愛する。気鋭のサム・ゲンデルとも共演、ふたりは暗黙の内に互いの演奏を理解しあえるというほどに音楽的なシンパシーを抱く。LAのLEAVING RECORDSからリリースされた新作『Das Nuvens』のジャンルを超えたサウンドは、彼の常に進化する音楽観を象徴している。