物語
江戸時代、福島市佐倉下にあった
陸奥下村(むつしもむら)藩。
この藩を治めていた殿さまは、
田沼意次の子孫たち。
意次の失脚後、彼らは
相良藩(静岡県)を取り上げられ、
代わりに下村を与えられましたが、
代々、江戸から出ることを
禁じられていました。
ですから、この村の人々は誰ひとり
この地を治める「田沼の殿さま」の姿を
見たことがありませんでした。
文政6年(1823年)のこと。
突然、下村藩が無くなることになりました。
田沼の殿さまが将軍・徳川家斉公に気に入られ、
元々の領地、相良(静岡県)を
治めることになったのです。
「最後にひと目、下村を見てみたい」
急に田沼の殿さまが言い立って、
下村の人々は大慌て。
失礼の無いように迎える準備を整えますが、
ある噂が立ちます。
「この下村で殿さまを
暗殺しようとしている者がいるらしい!」
殺されては大変と、藩の侍は
「奥玉神社」に勝手に住み着いていた
村一番の嫌われ者を
殿さまの影武者へと仕立てあげるのですが…。
120○EN、廣瀬座四作目は
幻の下村藩を題材にした歴史喜劇!