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SPECIAL
INTERVIEW
小松"K.M.D"久明
(サウンドデザイナー / PAエンジニア)
アーティストの熱やパッションをそのまま感じられる
ライブハウスは、本当に素晴らしい空間だと思う
撮影/木谷 元 インタビュー・文/東條祥恵
 
小松"K.M.D"久明(こまつ ひさあき)
アーティストのライブサウンド面を一手に担うPAエンジニア、サウンドデザイナー。ヤマハ音楽振興会にて12年間エンジニアとして勤務したのちに独立。LUNA SEA、大黒摩季をはじめ、手嶌 葵、石野真子など、幅広いアーティストのライブサウンドを手掛けるほか、洗足学園音楽大学で指導するなど、積極的に後進の指導もあたっている。
■小松"K.M.D"久明 オフィシャルサイト
アーティストのライブを観て「今日は音が迫力あってよかったね」となれば、そのライブの印象はさらに何倍もいいものになり、逆に「ボーカルの音が小さくて歌がよく聴こえなかった」となればそのライブの魅力は半減してしまう。今回は、LUNA SEAをはじめ多岐にわたるジャンルのアーティストのライブを、アリーナクラスから小さなライブハウスまで、PA席で変幻自在に“音”をデザインしていくPAエンジニア、サウンドデザイナーの小松"K.M.D"久明氏を迎えて、ライブにおける“音作り”について語ってもらった。
ライブハウスでは、毎日のように
違うサウンドが作られているということなんです
■まず、小松さんがいつもライブ会場でやられている音響のお仕事について教えてもらえますか?
ライブでお客さんに音を伝えるために、僕は主にそのアーティストに付いてライブハウスに行ったり、コンサートホールに行って音響機材を組み上げて音を伝えています。まず、ライブハウスのことからお話していきますね。ライブハウスには音響機材がありますので、アーティストだけが行って、ライブハウスのPAオペレーターが音を作る場合と、「乗り込み」と言って、アーティストと一緒に僕もライブハウスに行って、その小屋の音響機材を使って音を作る場合。その2つのケースがあります。
■ライブハウスにある音響機材は、小屋によって違うんですか?
まったく違います。小屋ごとに会場の大きさ、作りも違いますから、そこで使うスピーカー、コンソール、世界的に有名なメーカーのものをどこも使っていますが、それをどう組み合わせて使うかは小屋ごとに違いますから。
■ということは、同じアーティストのライブでも観る小屋によって音に変化が出てくる。
ええ。でも、そこで僕が各会場に乗り込むことによって、常に同じ音のクオリティーをキープします。
■なるほど。小松さんが乗り込むことで、どのライブハウスでも、音響機材が変わってもアーティストが出した音を同じように届けることができるということですね。
そうです。お客さんを満足させるのはもちろんですが、ライブをやっているアーティストが満足できる音を出すのも僕の仕事ですから。
■では、これがホールになるとどう変わるんですか?
ホールは、音響機材をトラックに乗せて持って行きますので、場所が変わっても常に同じ機材を使います。11tトラックから機材を下ろしたら、それを組み上げて。ライブが終わったらまたそれをバラして、トラックに積み込んで次の会場へと向かう。ライブのホール音響とライブハウス音響では、そういう機材面が全然違います。
■ライブハウスはそこにある機材を使って、ホールは持ち込む訳ですもんね。
そうです。だから、ホールとかアリーナになると、みなさんご存知のようにライブハウスと比べるとチケットの値段が高いじゃないですか? そこには、このような音響機材や照明、舞台セットなどのお金も含まれるからです。
スピーカーもアンプも飛躍的に良くなった分、
誤魔化しがきかなくなった
■そうだったんですね。ライブシーンではここ数年、全都道府県ツアーをやるアーティストが急激に増えましたが。それに伴ってライブハウスの音響も変化したんでしょうか?
変化というところでお話しすると、僕が19歳の頃。音響の勉強のためにライブハウスにいた当時はスピーカーもひ弱、それを鳴らすアンプもひ弱。だから、デカイ音を出そうとしてもアンプやスピーカーで歪んでしまってという時代でした。でも、そこから5年後ぐらいにメインスピーカーが飛躍的に良くなりました。次に、それを駆動させるためのパワー・アンプまで変わり。僕がコンサートの音響に携わるようになって33年になりますけど、そのスピーカーとアンプが変わったことで、ライブハウスの音響は軽自動車が大きなトラックになったぐらいパワー感が変わりました。
■ああー。だから、ライブハウスではあんな迫力ある爆音サウンドが体感できる訳ですね。
ええ。そうやって、飛躍的にスピーカーもアンプも良くなった分、誤魔化しがきかなくなりました。音響システムのクオリティーが上がった分、正直下手なオペレーターがやれば下手な音になるし、上手いオペレーターがやれば上手い音になるようになりました。昔はシステムがひ弱だったから、誰がやっても一様な感じでしたが、今はそれを操るオペレーターのテクニックの差が分かるぐらい音響システムの表現力が上がっていますね。
■ライブハウスで、ボーカルがバンドサウンドに埋まってしまって聴こえづらいときとか、正直ありますからね。
これを読んでいる方にも、歌が全然聴こえなかったり、やけにギターの音がデカかったりしたライブの体験があるんじゃないですか? そういうものは、オペレーターとかPAのテクニックの差によるものが大きいと思います。
■なるほど。つまり、音響というものは、ライブを楽しむための大事な要素なんですね。
そうです。例えば、音楽を体で楽しんだり感じたりするロックは、綺麗に音が整っているよりも音が体感できるライブの方がパッションがあって、お客さんが喜ぶというのがありますから。アーティストの目指す音の方向性によって、サウンドデザインの見極めが重要になります。
■届ける“いい音”の種類が変わる訳ですね。
ええ。ドラム、ベース、ギターをガンガンに鳴らすアーティストと、生ピアノ1本とアコースティックギター1本というアコースティックなアーティストでは、音の作り方、スピーカーの根本的な音の出し方から変わってきますから。だから、ライブハウスでは、毎日のように違うジャンルのサウンドが作られているということです。音響機材が良くなって、アーティストの熱やパッションをそのまま感じられるライブハウスは、音もアーティストも近いし、音楽が体感できる本当に素晴らしい空間だと僕は思うんですよ。これがコンサートホールになると、当たり前のように椅子があって。ステージとの距離があります。コンサートホールはコンサートホールで、また違う空間ですよね。ただ、さっき言ったように、舞台美術だとか照明、すべてを持ち込んで、コンサート芸術という高みを求めていく空間になります。そこはまたライブハウスとは違った景色を求めていますよね。
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