VOICES FROM BASEMENTBAR|30周年を越えて、つくり続ける“スペシャルな毎日”
下北沢 BASEMENTBAR 店長・クックヨシザワさんが語る、音楽とカルチャーの交差点
出演者として関わり始め、今では店長として 30 周年を迎えた BASEMENTBAR。 その歩みとこれからについて、クックヨシザワさんにお話を伺いました。
出演者としての出会いから、店長へ
「20年前に自分のバンドで出演したのが最初の関わりです。その後、当時の店長に声をかけてもらい、スタッフとして裏方に入りました。今年で30周年を迎え、仲間と一緒に空間を作り直しました。」
バンド仲間とつくりあげたバーカウンター
「3年前にカウンターをリニューアルしました。元スタッフやDJの仲間とデザインを考え、知り合いのバンドマンに制作をお願いしたんです。ライブ前後に人が自然と集まり、会話が生まれるこのカウンターは、BASEMENTBARらしさを象徴する場所になっています。」
毎日がスペシャルではなく、スペシャルな毎日を
「5月にはアニバーサリーマンスリーを開催しましたが、それ以降もスペシャルイベントは続きます。ただ、特別な日だけが大切なのではなく、日常の1日1日を “スペシャルな毎日” にしていきたいと思っています。」
フレッシュな音楽との出会いを大切に
「マイティマウンテンズや、TEXAS3000といった新しい世代のバンドがおすすめです。音楽シーンは常にフレッシュであり続けるからこそ、そこをキャッチして発信していきたいですね。」
口コミで広がる、外国人客の来店
「海外からのお客さんが増えてきました。レコードショップで「この辺で生演奏を聴ける場所は?」と聞かれ、紹介されて来てくれるんです。外国人向けのショップカードも置かせてもらい、ちょっとした “隠しイベント” 感覚で楽しんで来てもらえるのが嬉しいですね。」
アーティストが残していった色が宿る場所
「楽屋の壁は、あるバンドがMV撮影でオレンジ色に塗ったまま残しています。南イタリアのような陽気な雰囲気が出て、今ではBASEMENTBARらしい一角に。思い入れの深いイベントのフライヤーは “殿堂入り” として残していて、楽屋もまたカルチャーの記録の場になっています。」
音楽ができる場所をつくり続けること
「伝統も大切にしながら、新しい音楽やカルチャーも取り入れていきたい。世代もジャンルも国籍も越えて、柔軟に交わる空間であることが、BASEMENTBARの大事な核だと思っています。」
現場に寄り添うスピード感と柔軟性
「急なイベントでもすぐ販売を開始できるのは本当に助かっています。販売ページの修正も即反映されるのでスタッフにも好評。手数料の柔軟な設定など、主催者目線に寄り添った仕組みだと感じています。」
音が交わり、人がつながる――その瞬間を信じて
ヨシザワさんがつくるのは、誰もが音楽で出会い、語り合える場所。
下北沢で30年、カルチャーをつむぎ続けるBASEMENTBARが、今日もまた新しい夜を鳴らしている。
