(第2回)公開オンラインワークショップ
なぜ我々は世界を救うために行動しないのか?
”Why are we not acting to save the world?”
1/9(月、祝)13時~16時
行動分析学の創設者である、B.F.スキナーは1982年のAPA (アメリカ心理学会)において、本ワークショップ(※)のテーマである “なぜ、我々は世界を救うために行動しようとしないのか?” と問い、世界中の戦争、飢餓、疫病、災害等に取り組むために行動分析学の知見の応用を訴えてきています。ABAI(アメリカの行動分析学会)では、このスキナーのフレーズをキーコンセプトにした学会(Culturo-Behavior Science Conference)も毎秋に開催しています。
昨年度、第1回目の公開ワークショップを開催しました。当日の第1部の様子は次のYoutubeで視聴できます。第1回目の動画はこちらから。
第2回目の公開ワークショップは、「強度行動障害のある児者」に対する支援・指導を考えるというテーマを設定しました。議論の前に日本における強度行動障害のある児者に対する支援の歴史とその制度をまずエキスパートである志賀利一氏から基調講演としてお話いただきます。
それを受けて、第2部ではこの公開ワークショップのキーコンセプトである、行動分析家としての自分に何が貢献できるかを自由闊達に意見を出し、各自が具体的な行動計画を考える「創造的な対話」を場を持ちます。
行動分析家の方(応用、基礎問いません)はもちろんのこと、行動分析家と関わっていらっしゃる様々なお立場の方のご参加も大歓迎です。
皆様で叡智を結集する場を作りませんか? ご参加をお待ちしております!
【プログラム(二部構成)】
■第1部:基調講演
・「日本における強度行動障害のある人に対する処遇の制度と歴史」
講師:志賀利一(社会福祉法人横浜やまびこの里 理事)
司会:田熊立(千葉県発達障害者支援センター)
■第2部:参加者によるワークショップ
テーマ:「今後の強度行動障害者支援の課題と展望」
ファシリテーター:三田地真実(星槎大学大学院)
■内容概要】
第1部の話題提供者の志賀利一氏は日本において長年自閉症・行動障害者支援に携わってきており、強度行動障害者支援者養成の研究に尽力しています。発表の主旨は、我が国の自閉症・行動障害者支援の歴史(医療・教育・福祉)を概観し、なぜ「強度行動障害」という名称が必要であったかを考察していきます。同時に、社会福祉基礎構造改革以降、障害福祉の領域が拡大していく中、強度行動障害者がどうして取り残されたか、さらにこれからどのような施策ならびに障害福祉現場の改革が必要かをまとめます。障害福祉分野の施策を中心とした話題提供であるが、行動分析を学んでいる多くの人に興味関心を持っていただき、新たな知見を提案していただきたいと考えています。
田熊立氏は千葉県発達障害者支援センターにおいて長らく強度行動障害者の支援者養成に携わっています。
第2部のワークショップでは、第1部で学んだことを元に参加者で対話を行い、今後の強度行動障害者支援の課題と展望についてアイデアを出し合う。
※ワークショップとは、そもそもは工房・作業場の意味。そこで様々な知恵が出し合われ、立場や年齢・性別などの障害を取り除いた形での「対話」を通して、新たな何かを創造する場として定義されている。ワークショップでは「教える立場の」講師は、基本不在(不要)である。この講座では誰かから何かの知識を「学ぶ」のではなく、参加者全員の叡智を忌憚なく出し合う場をいかにして構築するかを体得することが目的である。(第1回目は下地作りとして、ファシリテーションの技術についての解説を行う)
※第1部については、後日オンデマンド動画として広く共有することを予定しています。(第1部はカメラオフでご参加いただけます)
※第2部のワークショップの最終成果物のみ、公開予定(ワークショップ中の動画の公開はなし)です。
■志賀利一先生プロフィール
社会福祉法人横浜やまびこの里理事。大学卒業後、財団法人神奈川県児童医療福祉財団小児療育相談センター、社会福祉法人電機神奈川福祉センター、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園勤務を経て、現職。強度行動障害支援、障害者虐待防止法の現状と課題、発達障害者の切れ目のない支援等、国の障害施策に関連する内容に関する調査研究ならびに研修の実施などで広く活躍。(出典URL)
■田熊立先生プロフィール
千葉県発達障害者支援センター副センタ―長
筑波大学大学院心身障害学研究科単位取得退学。博士(学術)。臨床心理士、公認心理師。平成15年より現職。
■三田地真実プロフィール ※Researchmapはこちら。
米国オレゴン大学教育学部博士課程修了(Ph.D.)。2011年度より星槎大学に勤務し、星槎大学の理念である「共生」と自らの専門の応用行動分析学、ファシリテーションを融合させた「ライフヒストリー曼荼羅ワークショップ」を開発、実践している。大学の必修科目としても実践、国内外での実践、オンラインでの実践と数多くの行ってきている。
2020年度は新型コロナ対策として、大学の授業のオンライン化を促進する統括として日々奔走中。この研修も行動分析学の原理に基づいて構成されている。
関連資料は、大学のHPからすべてダウンロードできます。 http://www.seisa.ac.jp/about/online.html
主な著書に「保護者と教員のための応用行動分析ハンドブック」(金剛出版)などがある。
行動分析学のエッセンスを毎回、いろはがるたにして発行・配信中です。
「教職いろはがるた」動画はすべて視聴できます。