丸山アートアライアンスとして 3 回目の公演はヴィヴァルディの「四季」。第一弾のバッハ、「ゴルトベルグ変奏曲」、第二弾のマイルス・デイビス、「スケッチ・オブ・スペイン」からの「四季」である。正確にはマックス・リヒターがヴィヴァルディの四季を再構成した「25%のヴィヴァルディ:四季」となる。
ヴィヴァルディの楽譜から 25%の要素を残しながらマックス・リヒターの世界観が加えられている。ヴィヴァルディの有名な四季の旋律が聴こえていたり、聴こえてこなかったりで独特な世界観が出現する。
「ゴルトベルグ変発曲」は演奏はグレン・グールドで、従来の解釈から離れ 各変奏曲のテンボ、パルスの統一性に着目し再構成したものだった。「スケッチ・オブ・スペイン」はアランフェス協発曲をはじめとしたスペインの楽曲を編曲家のギル・エヴァンスがジャズに再構成したものである。そしてこの「四季」はマックス・リヒターによる再構成・・・
どうやら丸山アートアライアンスは再機成が好きなようである(笑)
2 回の公演を重ねていくうちに、今まで自分達の中で言語化できていなかったことが少しずつはっきりしてきたような気がする。バレエの再構成、クラシカルな踊りの再構成・・・
いや、クラシックバレエは素晴らしいもので、それに対して私たちがどうこうできるなどとは微塵も考えていないのだが、何かもう少し自由な表現、踊り、型を踏まえながらも型にとられない・・・そんなイメージだろうか。コンテンポラリーというわけでもない、素直な人間性や芸術性を表現したい、そういった衝動がある。
今までの 2 回の公演はプロデューサーである丸山健太郎が楽曲、音源を選定しコリオグラファーの丸山まゆみが振り付けをした。今回は丸山まゆみ本人が選んだ楽曲、音源で振り付けをしている。
ゴルトベルグとスケッチ・オブ・スペインは大きな課題で、果敢に振り付けに取り組んでもらえた。どこか「ちゃんとできます」と証明しなければいけないというような気持ちが私たちにあったかもしれない。前の二作品を経て、今回は解放感を感じてもらえるのではないかと思う。
感情、生き方を・踊りで素直に表現したい、してもらいたい、そういう気持ちでこのステージは作られている。ぜひ振り付けの意図、ダンサーたちの表現を感じてもらえればと思う。