このたび、写真家・金川晋吾さんの写真集『明るくていい部屋』とアーティスト・百瀬文さんのエッセイ集『なめらかな人』の刊行を記念して、トークイベントを開催いたします。
金川晋吾さんの『明るくていい部屋』は、アーティストの百瀬文さんと斎藤玲児さん、森山泰地さんと作者自身による、2019年から現在までの共同生活を、118点の写真と2万5千字の文章とともに綴ったドキュメンタリーです。血縁や婚姻関係のような一対一ではない他者との暮らしを実践しながら、新たな「家族」像が現在進行形で構築されていくようすが、透明感のある写真と実直で素朴な言葉で語られています。
百瀬文さんは、社会に潜む権力構造や、コミュニケーションやジェンダーの問題を、映像作品やパフォーマンス作品をを通して社会に問いかけるアーティストです。エッセイ集『なめらかな人』では、自身の欲望と社会の見えない規範と向き合いながら、身体を通した切実な言葉で日々を描いており、そこには自身が営む共同生活についての文章も含まれています。
もともとは「性愛的な」関係から始まった金川さんと百瀬さんの関係性は、共同生活を経てじょじょに変容し、性的な欲望が介在しない「家族的な何か」になっていったといいます。その二人の関係性は一言では語れず、未来に変化していく可能性を包含しているように見えます。
そんなお二人に、「家族」観やパートナーシップへの意識や、言葉を用いて表現することについて、縦横無尽に語っていただきたいと思います。