入場料1,000円(展示室AB)
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入場料:1,000円/展示室AB
ミュージシャンであり、アーティストでもあるダニエル・ジョンストンが、2019年9月10日58歳で逝去しました。
1980年代から40枚以上ものアルバムを製作し、そのシンプルで美しく、ピュアで歪な楽曲はニルヴァーナのカート・コバーン、デヴィッド・ボウイなど著名なミュージシャンに影響を与え、音楽シーンにおいて神秘的な存在として世界中で熱狂的に支持されています。2005年にはその半生が綴られたドキュメンタリー映画『悪魔とダニエル・ジョンストン』が公開されるなど、アメリカのアンダーグラウンドの象徴としてその名を馳せてきました。
ダニエル・ジョンストンは音楽と並行して、主題を同様としたアートワークの制作を続けていました。
作品内に登場するのは、1つ目の不気味な生物や悪魔、彼の永遠の恋人・ローリー、フランケンシュタインなどのモンスター、性と畏敬の対象としての女性、自身を投影したおばけのキャスパーや、アメリカン・アイコンとしてのキャプテン・アメリカ等、縦横無尽です。
描かれた作品は、音楽と同様にシンプルかつ美しく、そしてピュアで歪なものでした。彼の心の中の神話的世界観をダイレクトに投影し、アメリカ各州、フランス、ベルギー他欧州諸国で展覧会が開催され、多くの人々を今でも魅了しています。
今展示では、生涯描き続けてきた膨大な作品の中から、1994年に発売された『FUN』のジャケットにも使用された作品をはじめ、カラー作品、モノクロ作品を中心として展示しその作品の魅力に迫ります。またポスター類などのコレクションの数々も同時展示販売いたします。
孤高の鬼才・ダニエル・ジョンストンのアートワークを間近で感じる事の出来る貴重な機会です。
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ダニエル・ジョンストン(Daniel Johnston)プロフィール
1961年 アメリカ合衆国ウェストバージニア州出身。
アーティスト、ソングライター、パフォーマーとしてカルト的な人気を博し、創造性に富んだ作品を数多く発表する。1980年代よりトム・ウェイツ、ソニック・ユース、カート・コバーンなどアーティストに支持され、数多くのメディアにも取り上げられた。
作曲数は500を超え、彼の人生を綴ったドキュメンタリー映画『悪魔とダニエル・ジョンストン』(2009)によって、音楽のみならず、アートや生き様に関心が再び高まっている。彼のアート作品は、2006年のホイットニー美術館の隔年行事にも出展されている。
2006年にHighwire Musicからリリースされた新しいコンピレーション・アルバム「Welcome To My World」、再リリースされた「Hi How Are You / Continued Story」と「Yip Jump Music」を含め、30枚を超える彼のアルバムの半数以上が今なお流通している。
カート・コバーンが着ていたダニエルの「Hi How Are You」Tシャツは、2006年にヒューストン・クロニクル紙で「世界中で最も需要の高いインディー・アーチストのTシャツ」と評されている。
米国をはじめ、カナダ、ヨーロッパ諸国、日本などでツアーの実績もあり、2003年、2010年と来日を果たし、ライブを行った。
2019年9月10日58歳で死去。
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人は何かを忘却する事で、内的世界と折り合いをつけ大人になっていく。
全てを忘れなかったダニエル・ジョンストンは、今も私的な宇宙の中で歌い、遊び、愛し、憎む。
悪も善も、聖も俗も尊卑も無い、透明な場所でただひたすらに。
遠くへ行ってしまったイマジナリーフレンド、愛する人へのオブセッション、霞の向こうに消えた夢のひとかけら。
全てを忘れてしまった私たちは、ダニエル・ジョンストンの作品をどう見るべきなのだろうか。
なかった事にしていた傷跡に、郷愁にも似た儚い疼きが必要ならばと、今回ダニエル・ジョンストン・コレクションを開封した。(H.Nakajima)