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SPECIAL INTERVIEW
モノブライト

リスナー体質のひねくれロック・バンドが
“ライブ”に目覚めた時

撮影/後藤秀二 取材・文/澤田大輔 構成/Spoo! inc.
 
モノブライト
2006年に桃野陽介(ヴォーカル)を中心に、松下省伍(ギター)、出口博之(ベース)の北海道・札幌の専門学校時代の同級生で結成。2007年7月にシングル「未完成ライオット」でメジャー・デビュー。2016年にデビュー10周年を迎え、10月12日に初のセルフカバー・アルバム『VerSus』をリリースした。2017年1月29日(日)は、渋谷CLUB QUATTROにて自主企画ライブ『Rumble In Brighton Vol.1 ~新春夜の最前線編~』の開催が控えている。
■Information
セルフ・カバー・アルバム『VerSus』
ASCU-2007
¥1,667(税抜)
2016.10.12 on sale
■モノブライト オフィシャルサイト
 
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ライブの場で楽曲が成長していく
■ひたすらツアーをし続けるライブ・バンドがいれば、音源を作ることに集中してあまりライブをしないバンドもいます。モノブライトにとってライブ活動ってどういう位置を占めるものなのでしょう。
桃野 モノブライトは試行錯誤して、活動の仕方をいろいろと変えながら続けてきたバンドなので、ライブをたくさんこなした時期もあれば、まったくやらなかった時期もあったんです。ただ、ライブをすることで、いまの自分たちがやりたいことが見えてくるし、いま音楽を好きで聴いている人たちがどういう感じなのかもわかる。そういうことに気付きました。だから、ライブをやらないという選択肢はないのかなと、いまは思っています。
■いまはライブが活動のなかでも大きな要素になっている。
桃野 ライブはホームグラウンドというか、実家に近い存在かもしれないですね。実家だから帰りたいんだけど、帰るには手土産がないとなあと考えて、新しい音源を作ったり。そうやって、ライブがあることでほかの活動が定まってくるところもありますね。
■逆に言うと、そこまでライブを重視していない時期もあったわけですか。
桃野 もともと自分は洋楽とかを聴くのが大好きなリスナー体質の人間で、ライブありきってところから始まっていないんですよね。そういうやつがステージに立っちゃった……って感覚がバンドを始めたばかりの頃はあったし、だからおこがましいなって気持ちも抱いていたんです。でもライブを重ねるなかで、自分のプレイで泣いちゃっている人がいたり、めっちゃ笑顔の人がいたりするのを見てきて、大げさかもしれないですけど、人の気持ちを動かせるんだってことを知ったんですね。そういうところから、ライブが胆と考えるようになっていったんです。
出口 モノブライトはちょっと特殊というか「とりあえずみんなで集まって音を出そうぜ」っていう、いわゆるバンドらしい出発地点から始まっていなくて、「なんでこの音楽はかっこいいんだろう」って解析して構築していく部分が大きなウェイトを占めるバンドなんですよね。それもあって、ライブへの向き合い方もその時その時で違ってくる。その場で偶然に何かが生まれるのがライブのおもしろさではあるんですけど、そこに至るまでの道筋をうまく作ってコントロールできるのがモノブライトの個性なんじゃないかなと。いろいろとおもしろいアイデアを出して、実験してみる。そういう実験結果の最新版を見せる場がモノブライトにとってのライブなんです。
桃野 あと、いま考えると、先輩方に揉まれて鍛えられた部分もデカいですね。上京したばかりのめちゃくちゃやっていた時期に、いきなり怒髪天とか、BEAT CRUSADERSとか、フラワーカンパニーズといった巨大な存在のバンドの対バン・ツアーに参加させてもらい。そういうライブ・モンスターのような先輩方といっしょにやらせてもらったことで、ライブに対する考え方も変わっていったんだと思います。
■10月にリリースされた最新作のミニ・アルバム『VerSus』はセルフ・カバー集ですが、ライブでのアレンジが反映されたりもしていますか?
桃野 そうですね。もともとのデモの感じに戻してやってみた曲もあるんですけど、基本的には、ライブでどんどん成長していった楽曲を収録しています。レコーディングした楽曲は、自分の頭のなかのイメージを形にしたものですけど、それをライブでやってみると、意外と盛り上がりたいところで盛り上がらなかったりするんですよね。それで尺を変えてみたり、構成に変化をつけたりしていって。
■お客さんのレスポンスを受けて、曲が進化していくようなイメージですか。
桃野 そうやって自然に成長したアレンジに沿って作れば、昔とは違うおもしろい作品になるんじゃないかと思ったんです。だから、これを聴いてライブに来てほしいなと。
■ほかのアーティストのライブを観に行く機会はありますか?
桃野 最近だとペトロールズのライブが衝撃的で「なんじゃこりゃ」って思わされましたね。すごく濃くてコアな音楽なのに、それを楽しんでいる人がこんなに集まるんだって感動があって。あと、今年の<フジロック>で観たディスクロージャー。基本的に打ち込みの海外のバンドなんですけど、ちゃんとライブの場を意識して、生のドラムとベースを揃えていたりして、すごくおもしろかった。そうやって、いまはバンドでもいろんな形があるし、誰しもライブならではのやり方を模索する時代なのかなって思います。
松下 モノブライトに限らず、どのバンドもおもしろいことを考えている。だからいまはライブがすごくおもしろい時代ですよね。
桃野 昔だったらバンドはこういうものというフォーマットがあったと思うんですけど、いまはその枠が崩れて、ライブのやり方がいい意味でめちゃくちゃになっていると思うんです。普通に予想がつかなくなっているのがいまのライブ事情かなって。
■そういう時代だからこそ、いろんなアイデアを試してきたモノブライトもおもしろく受け止められるんじゃないかと思います。
松下 だから観に来てほしい。それに尽きますね(笑)。
桃野 音楽のおもしろさって、新しいものを発見した瞬間にあるんじゃないかと思うんです。「これ聴いたことないかも」って。そういうものをいちはやく提示できる場がライブハウスだと思うんです。そういうことがやりたいし、お客さんといっしょにおもしろいライブを作っていきたいですね。
■これからライブでやっていきたいことはありますか?
桃野 モノブライトはいまドラムがいない3人編成で、この形だと返っていろんなことができるんですよ。サポートを迎えて大所帯でやってもいいし、ドラムレスでこじんまりとやってもいい。アコースティック編成で小さなスペースでライブもできると思いますし。次のモノブライトが何をやるか予測できないという自由な感じでやっていけたらいいなって思っています。
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